[13] 圧倒的読後感!『ジェノサイド』

こんばんは!コンゴプロジェクトリーダーのかしわばらです。
先日、別の記事で取り上げた『ジェノサイド』(高野和明著 角川書店 2011)を自分も読了し、是非この本をおすすめしたいと思ったので自分も記事を書きます!

 まずは、何よりも「読後の圧倒的な満足感と広がる知的好奇心」がオススメの理由です。本書は現実世界で次々と絡み合って起こっていく事件を描いています。圧倒的なスケールやスピード感を持ちながら、細部まで綿密に練りあげられているこの一冊に、著者の才能を感じずにはいられません。

この本に興味を持ったのは「コンゴ」を一つの舞台にしているためです。政治や教育などにおける沢山の課題を抱える「社会の縮図」でありながら、あまり大きく報道されないコンゴ。その一端を鮮やかに描き出していると感じました。

物語は「ハイズマンレポート」という論文と新人類の出現を核に、「日本の若き研究者」「アメリカ大統領府と諜報機関」「コンゴで作戦行動に当たるオペレーター(傭兵)達」という三つの軸から進んでいきます。本書の最大の特徴は、これらの一見複雑で分野的にも距離のありそうな軸を結びつける際に、時間を行ったり来たりせずに同時進行的に物語を進めている点です。これによって絶妙なライブ感と没入感が生まれています。
また、この没入感は緻密な描写によって生まれています。くどくない必要充分な描写でありながら、まるでその現場を直接見ているかのような感情、緊張感が伝わってきます。時間も場所も忘れて読みふけってしまうこの点も、本書の大きな魅力ですね。特に後半1/3くらいの疾走感には思わず胸が高鳴りました。

アメリカのイラク戦争の背景に関する記述や南京大虐殺に関する記述等が一部では議論の対象になっていますが、概して精緻に練られた名著であると思います。

超大国アメリカの政治と諜報の関係・報道されない内紛の現状・人間の闘争本能と進化の歴史….など、我々が避けて通ってはならない問題に目を向けさせてくれるのが『ジェノサイド』です。面白いだけでなく、これらを引き続き学んでいこうという知的好奇心も広がって一石二鳥ですね!

興味を持っていた頂けたら、図書館で良いので是非読んでみて欲しいです!絶対に後悔しないと思いますヨ。

*個人的には、今期履修している土屋大洋先生の「外交と戦略(諜報機関と政治の関係)」、冨田勝先生の「生命と知能の進化」の内容とも被る点が多くあり、講義で得た知識が登場した際には興奮を覚えました。本書巻末の参考文献にも、偶然講義で扱った書籍が数冊含まれていました。そういう意味でもオモシロイ。

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